作戦命令 : Operation Order : OPORD を難易度別に紹介します。 Ver 1.00 ―――――――――――――――――――――――――――――――― 初級編 T. 状況 : 必要不可欠な状況や情報を指揮下部隊に付与する。  A. 敵  B. 我  C. 配属と欠除 U. 任務 : 部隊の任務を"簡潔、明瞭"に述べ、"その目的"を示す。任務は必ずこの二つで示さなければならない。   〇5W ・だれが "Who"    ・なにを "What"    ・いつ "When"    ・どこで "Where"    ・なぜ "Why"   ○その目的 V. 構想 : 作戦の要領。ビジョン。どのように "How"  A. 方針 : 行動方針の最初から最後までの流れを説明。指揮官の企図と計画の考え方を述べる。  B. 各部隊の任務  C. 調整事項 W. 補給支援 : 行動中の部隊を維持するのに必要な、物資の補給および支援の情報を掲示する。 X. 指揮通信  A. 指揮  B. 通信 ―――――――――――――――――――――――――――――――― 中級編 T. 状況 : 必要不可欠な状況や情報を指揮下部隊に付与する。  A. 敵部隊  B. 我部隊   1. 上級部隊指揮官の意図   2. 任務および行動計画  C. 配属と欠除 U. 任務 : 部隊の任務を"簡潔、明瞭"に述べ、"その目的"を示す。任務は必ずこの二つで示さなければならない。   〇5W ・だれが "Who"    ・なにを "What"    ・いつ "When"    ・どこで "Where"    ・なぜ "Why"   ○その目的 V. 構想 : 作戦の要領。ビジョン。どのように "How"  A. 方針 : 行動方針の最初から最後までの流れを説明。指揮官の企図と計画の考え方を述べる。   1. 機動 : 機動に関するすべての事項。   2. 火力 : 火力に関するすべての事項。  B. 各部隊の任務  C. 調整事項 W. 補給支援 : 行動中の部隊を維持するのに必要な、物資の補給および支援の情報を掲示する。 X. 指揮通信  A. 指揮   ・指揮官の位置   ・指揮権継承  B. 通信   ・通信規定 (周波数。呼び出し符号。電波使用制限)   ・火工信号   ・隠語   ・誰何と合言葉   ・無線士への指示   ―――――――――――――――――――――――――――――――― 上級編 部隊区分 : 命令を下達する部隊の区分。 T. 状況 : 必要不可欠な状況や情報を指揮下部隊に付与する。  A. 敵部隊   1. 天気、光度、湿度、日の出、日の入り、月の出、月の入り、月齢(月明り)、照明(人工的な)、風速、風向、第二薄明開始時刻(BMNT)、第二薄明終了時刻(EENT)   2. 地形 (OCOKA)   3. 敵軍の種類及び構成。(装甲か、機械化か、自動車化か、など)   4. 位置(複数可) 潜伏の可能性がある地域なども。   5. 活動(攻撃しているのか、哨戒しているのか、防御しているのか、後退しているのかなど)   6. 戦力、士気、装備、能力   7. 最も可能性の高い敵の行動  B. 我部隊   1. 任務や構想から考えられる上級部隊指揮官の意図   2. 位置及び行動計画。関係部隊および隣接する部隊の行動がどのように影響するのか。砂盤などでその場所を指摘。   3. 火力支援を行う部隊 : 中隊、迫撃砲、大砲、CAS(近接航空支援)、海軍の艦砲など  C. 配属と欠除   1. 配属部隊 : 我が部隊に配属された部隊   2. 欠除部隊 : 我が部隊から外された部隊 U. 任務 : 部隊の任務を"簡潔、明瞭"に述べ、"その目的"を示す。任務は必ず二分されて示さなければならない。   〇5W ・だれが "Who"    ・なにを "What"    ・いつ "When"    ・どこで "Where"    ・なぜ "Why"   ○その目的 V. 構想 : 作戦の要領。ビジョン。どのように "How"  A. 方針   ・行動方針の最初から最後までの流れを説明。指揮官の企図と計画の考え方を述べる。また部隊ごとにやるべき事項をまとめて述べなければ、混同が発生する可能性がある。    1. 機動 : 機動に関するすべての事項。     ・中隊の達成すべき目標      ・小隊の達成すべき目標     ・中隊の任務     ・小隊の任務     ・移動位置     ・移動要領     ・方向     ・行進順序     ・間隔     ・各部隊の任務     ・各部隊の位置      など    2. 火力 : 火力に関するすべての事項。     ・射撃優先順位 "Priority of Fires : POF" 火力運用において、特定の方向に火力の配分や指向を優先する順位。     ・目標優先順位 "Target Priority" 目標に与える重要度の順位。原則としてこの順番に攻撃を実施する。     ・目標番号     ・座標     ・射撃要領      など  B. 各機動部隊の任務    ・各指揮下機動部隊の任務を示す。      中隊命令ならば、各小隊に。小隊命令ならば、各分隊に。分隊命令ならば、各班や各員に。       C. 各支援部隊の任務    ・各支援部隊の任務を示す。  D. 調整事項   ・複数の部隊に共通の調整事項を示す。    1. 行進、隊形、移動方法。砂盤やスケッチなどを用いる。    2. 小休止、大休止のSOP    3. 主要経路、予備経路。詳細な方位と距離を与える。    4. 出発点と連絡線(兵站線)    5. 各集合地点(Rally Points)と各集合地点での行動。(浸入集合地点 : IRP 主要集合地点 : ORP (他部隊も何度も使用するような主要な集合地点)哨戒基地 : PB 再入集合地点 : RRP (再び戻ってくるような集合地点)座標や地形を参照。    6. 各危険地帯(Denger areas)での行動。    7. 接敵時の行動。    8. 再編成や統合の指示。    9. 火力配分 : 全火器。地域射撃(Area fire)と点射撃(Point fire)    10. 射撃指揮    11. MOPP "任務志向防護態勢" NBC戦に対応する準備態勢。Level 0 から Level 4までの5段階。    12. 部隊保護と放射能被爆基準値(Operational Exposure Guide)    13. 日程 "Time Schedules" (予行、ブリーフィング、点検、移動)どこで、いつ、だれがなど 5W 14. 優先情報要求 "Priority Intelligence Requirements : PIR" 重要度の高い情報から先に報告したり、質問したりすること。    15. デブリーフィングの要求    16. 報告 : ACE報告やSALUTE報告、SALTA報告などの基準    17. 交戦規定 "Rules of Engagement : ROE"     ○全般      ・武器を使用しても良い 時      ・武器を使用しても良い 場所      ・武器を使用しても良い 相手      ・使用するべき武器     ○統制      ・上官から禁止されない限り、独断で行ってよい行動      ・上官から指示されない限り、取ってはならない行動     ○補足 W. 補給支援 : 行動中の部隊を維持するのに必要な、物資の補給および支援の情報を掲示する。  A. 一般   ・作戦持続のための補給支援SOP   ・補給、集積資材ポイント。   ・負傷者および故障装備   ・負傷者収容地点 "CCP"   ・メディバックピックアップゾーン(Medevac PZ)   ・衛生兵など、医療従事者への指示。(トリアージや9 Line Medevac Procedures)  B. 資材と補給   1. 補給全般    a. Class 1 : 糧食(食品と水)    b. Class 2 : 衣服および個々の機器    c. Class 3 : 燃料 "POL"    d. Class 4 : 建設    e. Class 5 : 個人要求物品    f. Class 6 : 主最終品目 "Major End Item"(単体もしくは複数の個体で構成する結合品。それ自体で使用可能。)    g. Class 7 : 衛生    h. Class 8 : 修理用部品    i. Class 9 : 農業経済開発    j. Class 10 : 配当方法 (小隊軍曹、分隊長、班長)   2. 輸送   3. 支援 (洗濯、シャワーなど)   4. 整備 (武器、機器、車両)作業の優先順位や設備を維持する計画  C. 医療後送 "Medical Evacuation : MEDVAC"   ・死者及び負傷者を後送する方法。各受傷者には優先順位をつける。  D. 人事   ・捕虜 "Enemy Prisoner of War : EPW" の取り扱いと、捕虜収容地点 "EPW Collection Point"      E. その他   ・特殊装備   ・鹵獲装備(破壊するのか、移動するのかなどの要領) X. 指揮通信 : 作戦中の指揮及び通信について  A. 指揮   1. 上級部隊指揮官の位置やそのCPの位置。(中隊命令ならば中隊本部(HQ)の位置。小隊命令ならHQや小隊長、小隊軍曹の位置。分隊命令なら小隊長や小隊軍曹、分隊長の位置)   2. 主要人員の位置   3. 指揮権継承 "Succession of Command" (指揮官がかけた場合の指揮権の継承はどうするのか)(次期指揮官 "Second in Comander : 2IC" )例えば小隊長→小隊軍曹→(原則として上位)分隊長→(原則として上位)班長。これを明らかにしておく。   4. 指揮に関するSOPの調整  B. 通信   1. 通信規定 "Signal Operation Instructions : SOI" (周波数、呼び出し符号 "コールサイン"。電波使用制限)   2. 通信の優先順位   3. 火工信号 (撤退、リフト "延伸"、シフトファイア "転移射" 突撃 などすべての重要な信号。手信号も含む)   4. 隠語 "Codewords"   5. 誰何と合言葉 (誰何(すいか)相手を識別するため「誰か」などと尋ねること。合言葉 「誰か」などと尋ねられた時に返す合言葉。ノルマンディー上陸作戦では「サンダー」→「フラッシュ」となっていた。一部映画では逆になっているが)   6. 暗証番号   7. 合言葉の実施   8. 認識信号(遠/近、昼/夜)   9. 無線士への指示    CONELRAD : Control of Electromagnetc Radiation : 電波管制     1. 電波通常管制 : 重要な事項以外、通信禁止     2. 電波警戒管制 : 絶対必要な事項以外、通信禁止     3. 電波非常管制 : 絶対必要かつ緊急の事項以外、通信禁止     4. 電波封止 : 一切の通信禁止      ――――――――――――――――――――――――――――――――