班長ハンドブック Ver 1.02 ―――――――――――――――――――――――――――――――― Section [Troop Leading Procedures:TLPs] "部隊指揮手順"  1. Receive the Mission. 任務の受領  2. Issue the Warring Order. 準備命令の発令  3. Make a Tentative Plan. 初期の作戦決定  4. Initiate necessary movement.初期の作戦の開始  5. Conduct Reconnaissance. 偵察の実施  6. Complate plan. 最終的な作戦決定  7. Issue orders. 最終的な作戦の下達  8. Supervise and Refine. 監督及び改善 ―――――――――――――――――――――――――――――――― Section [Military Decision Making Process : MDMP 軍事意思決定過程]  1. 任務の受領    (準備命令)  2. 任務分析    (準備命令)  3. 状況及び行動方針  4. 各行動方針の分析  5. 各行動方針の比較  6. 結論    (準備命令)  7. 作戦構想    (予行)    (実行及び監督) ―――――――――――――――――――――――――――――――― Section [個人] (ミッション開始前)  ・自分の分隊の呼称は?  ・自分の班の呼称は?  ・Buddy Teamの呼称は?  ・自分の兵種は? (小銃手か擲弾手)  ・自分の番号は?  ・準備命令は?  ・制限重量は?  ・共有弾薬は?  ・各種SOPを満たしているか?  ・装備は正しいか? (服装は? 兵種に合った武器か? SOPは?)  ・任務分析はしたか?  ・現実の準備 (メモ帳は? トイレは? 家のセキュリティーは? PCやその他のデバイスに問題は? 水分補給は? ハンドブックは? 資料は? 家族は? など)  ・地形の把握 ―――――――――――――――――――――――――――――――― Section [部隊]  ・組長(Buddy Team Leader)は?  ・班長(Fireteam Leader)は?  ・分隊長(Squad Leader)は?  ・小隊長(Platoon Leader)は?  ・小隊軍曹(Platoon Sergeant)は?  ・隣接部隊は?  ・上位部隊は?  ・下位部隊は?  ・全隊の任務は?  ・全隊の目標は?  ・自隊の任務は?  ・自隊の目標は? ―――――――――――――――――――――――――――――――― Section [戦闘間隊員一般の心得] ・使命感に徹し、あくまで任務を遂行せよ。 ・常に厳正な規律を維持せよ。 ・常に士気旺盛にして、強靭不屈かつ勇猛果敢に行動せよ。 ・自ら進んで指揮官の掌握下に入れ。 ・相互に協同連携して戦闘せよ。 ・旺盛な企図心をもって絶えず創意工夫せよ。 ・常に情報資料を収集し、速やかに報告せよ。 ・常に警戒を怠るな。 ・戦闘間負傷しても、自ら手段を尽くして戦闘を継続せよ。 ・敵の宣伝に乗ぜられるな。 ・武器、弾薬等を愛護節用せよ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― Section [指揮官の自主責任的な任務の遂行] 指揮官は、状況の急変により適時これに応ずる命令を受領できない場合にも、全般の状況を考察し、新たな状況に応ずる上級部隊指揮官の企図および自己に与えられる任務を明察し、状況の変化に応ずる最良の方策を決定し、あらゆる困難を克服して自主積極的に任務を遂行しなければならない。 特に、部隊が分断孤立し、通信・連絡が途絶する等の真に困難な状況に陥った場合にも、指揮官は、遅疑逡巡することなく、積極的に打開策を講ずる等、自主的に行動することが極めて重要である。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― Section [指揮の要訣] 指揮の要訣は、指揮か部隊を確実に掌握し、明確な企図の元に適時適切な命令を与えてその行動を律し、 もって指揮下部隊をしてその任務達成に邁進させるにある。この際、指揮下部隊に対する統制を必要最 小限にし、自主裁量の余地を与えることに留意しなければならない。 指揮下部隊の掌握を確実にするため、良好な統御、確実な現況の把握および実行の監督は、特に重要で ある。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― Section [統御] 良好な統御は、部隊及び隊員をして上下一体となってその任務を忠実かつ積極的に遂行し得るよう感化を 与えその能力を最高度に発揮させる。 指揮官は、良好な統御を基盤として効果的に指揮権を行使し、任務の遂行を図らなければならない。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― Section [班員のコツ]  ・警戒を怠るな。  ・誰も見ていない方向を警戒せよ。  ・積極的に報告せよ。(ホウレンソウ : 報告連絡相談)  ・かもしれないで行動せよ。(あそこに敵が居るかもしれない。後ろに敵が居るかもしれない、など)  ・すぐに行動せよ。(撃たれたら直ぐ伏せる、遮蔽に飛び込む。命令されたらすぐ動く、など)  ・復唱しろ。  ・勝手に制圧射撃を止めるな。  ・積極的に指揮官をサポート、協力せよ。  ・落ち着け。  ・交戦中も味方に敵の位置を報告せよ。  ・遮蔽物にしっかりと隠れろ。  ・ピンダウンされたら、無理に交戦するな。  ・味方を頼れ。  ・死ぬかもしれないと思ったら、スモークを展開せよ。  ・マウス感度を落とせば、精密なAimingが可能になる。  ・マウス加速を切れ  ・射撃間隔を記憶せよ。  ・ネゲーションコントロールを遵守せよ。  ・メモを取れ ・突入時は、先頭の隊員の逆を見ろ。  ・SLLS : 止まって、見ろ、聞け、匂え。  ・SFC : 探して、撃って、確かめるを繰り返せ。  ・突入時は、先頭の隊員の逆を見ろ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― Section [班長のコツ]  ・隊員の動きを監督せよ。  ・マイクロマネージメントは回避せよ。個人で分かることは個人に任せろ。  ・後退できない地帯へは進出するな。  ・何としても主導権を獲得せよ。  ・死ぬな。班員も死なせるな。無理ならば退き、また再度攻撃すれば良い。  ・退却の判断は速やかに行え。包囲されたらもう退却は出来ない。  ・負傷者を決して見捨てるな。負傷者を見捨てる指揮官の下では、兵士は命を張れなくなる。(見捨てられるのが怖いため)  ・隊員の警戒方向を指示せよ。  ・現在の位置、状況、分かっている情報などを班員に教えろ。  ・先手必勝。先手を取ることで、楽に主導権を得ることが出来る。  ・敵に先手を取られたら、敵の火力以上で応戦するか、機動戦で挽回せよ。  ・関係する部隊との連絡を怠るな。  ・命令は、5W「だれが、なにを、いつ、どこで、なぜ」を用いて行え。  ・地形の分析は「OCOCA」を用いて行え。  ・戦いの原則を遵守せよ。  ・遮蔽があるなら遮蔽に付かせろ。遮蔽が無いなら、綺麗な隊形を取れ。  ・分隊長のコマンドオーバライドに甘んじてはいけない。  ・上級者より技を盗め。  ・十を以って其の一を攻めろ。  ・準備命令を多く活用し、部下に作戦準備の時間を与えろ。  ・品格、知識、行動 この3原則を遵守しろ。  ・自信を持て  ・リーダーは、計画し(P機能)、部下を動かす(M機能)。  ・部下を成長させろ。  ・職と、己と、部下を知れ。  ・自信、知識、熱意、表現力、勇気、意思を持て。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― Section [対敵動作] (Action on Concat) ハードコンタクト : 敵方に対し、直ちに横隊を形成 ソフトコンタクト : その場に伏せるか、身を低く保ちながらゆっくりと移動し遮蔽物に付く。 ※ハードコンタクト 交戦の開始された接敵 ※ソフトコンタクト 交戦が開始されていない接敵  ―――――――――――――――――――――――――――――――― Section [接敵報告 (Contact Report)] *A3DLA* ・Alert (警報) 「コンタクト」 ・Direction (方向) 「フロント」 *詳細な方位、時計法など ・Distance (距離) 「500m」 ・Description (種類) 「敵散兵」 ・Landmark  (目印) 「青い屋根の家の近く」  ・Activity (活動) 「SW移動中」  ※分かった情報から先に伝えていく。 ------------------------------------------------- *SALT* (ソルト) ・Size (規模) 「SALT報告。敵分隊」 ・Activity (活動) 「NE移動中」 ・Location (位置) 「座標○○○-○○○ BOX 5」*3D でも良い ・Time (時間) 「2分前」*0000時。交戦した際は、交戦(継続)時間も報告する。 ------------------------------------------------- *SALTA* (サルタ) ・Size (規模) 「SALTA報告。敵戦車」 ・Activity (Enemy) (敵の行動) 「停止防御中」 ・Location (位置) 「座標○○○-○○○ BOX 5」など ・Time (時間) 「2分前」*0000時。交戦した際は、交戦(継続)時間も報告する。 ・Activity (Friend) (味方の行動) 「横隊にて偵察を継続中」 ------------------------------------------------- ※距離 Close (至近(距離) 0〜50m Near (近い:近距離) 50〜200m Midle   (中距離) 200〜600m Far   (遠い:遠距離) 600m〜 ―――――――――――――――――――――――――――――――― Section [LACE Report] (ACEの場合もあり) レース報告、エース報告 ・Liquid (飲料水) ・Ammo (弾薬) ・Casualty(負傷) ・Equipment(装備) Green : 弾薬、飲料水50%以上。負傷、装備、異常無し Yello : 弾薬、飲料水50%未満。軽傷。装備に軽微な損傷有り。 Red : 弾薬、飲料水25%未満。重傷。装備に甚大な損傷有り。 Black : 弾薬、飲料水ほぼ無し。戦死。装備大破。 例 弾薬34%。軽傷、装備異常なし。 「ACE報告。イエロー、イエロー、グリーン、以上」 例 弾薬10%。軽傷。ハンヴィー大破 「ACE報告。レッド、イエロー、ハンヴィーブラック、以上」 - 例 弾薬0%。AT残弾1。重傷。ハンヴィー中破。 「ACE報告。小銃ブラック、ATは残弾1。レッド、ハンヴィーイエロー、以上」 ―――――――――――――――――――――――――――――――― Section [METT-TC]  作戦を考案する上での留意事項 Mission 任務 Enemy 敵情 Terrain and Weather  地形及び天候 Troops and Support Available 味方部隊及び利用可能な支援 Time Available 利用可能な時間 Civil Considerations 市民への考慮 ―――――――――――――――――――――――――――――――― Section [戦いの原則] Principles of War 1. 目標の原則 目標を明確に定めなければ、軍隊の火力は分散する 2. 統一の原則 全ての隊員が、責任を持つ一人の指揮官に統一されること。一つの意思に統一出来なければ、軍隊は分散する。 3. 主導の原則 孫子曰く、人に致して人に致されず。将棋でも囲碁でも会議でも、先手を打ち主導権を得たものが戦況を制する。 4. 集中の原則 孫子曰く、十を以って其の一を攻むる。力を分散させるより、一点に集中させた方が圧倒的に勝率が上がる。 5. 奇襲の原則 孫子曰く、戦いは正を以って合い、奇を以って勝つ。奇襲が出来なければ、戦闘に勝利は出来ない。 6. 機動の原則 孫子曰く、疾きことは風の如し。敵よりも圧倒的に早い機動戦を実施し、敵に対応の隙を与えるな。 7. 経済の原則 コップ一杯に入った水の上に水滴を一滴垂らすと、勢いよくその水があふれ出す。予備部隊の存在はそれにある。 8. 簡明の原則 複雑な命令は、部隊に混乱をもたらす。目的、目標を明確にし、作戦のコンセプトを奇抜、大胆、明快、新鮮にせよ。 9. 警戒の原則 警戒を怠り背後や睡眠時を襲われた部隊は、壊滅する。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― Section [3対1の法則] *攻撃三倍の法則 敵が防御している陣地を攻め落とすには、その三倍の戦力が必要になる、という法則。圧倒的に防御側が有利であるという法則である。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― Section ―――――――――――――――――――――――――――――――― Section [各種SOP] SOP=Standard Operating Procedure:標準作業手順 ※Team IBISS Server での最低限の装備なので、状況により多くする。 *装備SOP*  『Rifleman』  ・5.56mm小銃  ・光学サイト、IR Laser  ・5.56mm 共有弾薬 普通弾 12マガジン  ・5.56mm 共有弾薬 (赤)曳光弾 2マガジン  ・手榴弾 5発  ・発煙弾 3発  ・無線機 AN/PRC-343  ・双眼鏡  ・NV Goggle (暗視装置)  ・Handgun  ・IFAK(Individual First Aid Kit) 個人用応急治療装備 -------------------------------------------------  『Automatic Rifleman』  ・5.56mm 機関銃  ・光学サイト、IR Laser  ・5.56mm 100rnd 普通弾 8マガジン  ・5.56mm 100rnd (赤)曳光弾 2マガジン  ・手榴弾 5発  ・発煙弾 3発  ・無線機 AN/PRC-343  ・双眼鏡  ・NV Goggle (暗視装置)  ・Handgun  ・IFAK(Individual First Aid Kit) 個人用応急治療装備 -------------------------------------------------  『Grenadier』  ・5.56mm 擲弾付き小銃  ・光学サイト、IR Laser  ・5.56mm 共有弾薬 普通弾 10マガジン  ・5.56mm 共有弾薬 (赤)曳光弾 2マガジン  ・40mm 擲弾 25発  ・40mm 発煙弾 5発 (赤) ※敵の位置を示す為  ・手榴弾 5発  ・発煙弾 3発  ・無線機 AN/PRC-343  ・双眼鏡  ・NV Goggle (暗視装置)  ・Handgun  ・IFAK(Individual First Aid Kit) 個人用応急治療装備 -------------------------------------------------  『Fireteam Leader』  ・5.56mm小銃  ・光学サイト、IR Laser  ・5.56mm 共有弾薬 普通弾 10マガジン  ・5.56mm 共有弾薬 (赤)曳光弾 2マガジン  ・手榴弾 5発  ・発煙弾 7発  ・無線機 AN/PRC-343  ・Vector 21  ・GPS 又は  ・NV Goggle (暗視装置)  ・Handgun  ・IFAK(Individual First Aid Kit) 個人用応急治療装備 -------------------------------------------------  『Squad Leader』  ・5.56mm 擲弾付き小銃  ・光学サイト、IR Laser  ・5.56mm 共有弾薬 普通弾 10マガジン  ・5.56mm 共有弾薬 (赤)曳光弾 2マガジン  ・40mm 擲弾 25発  ・40mm 発煙弾 5発 (赤)  ・手榴弾 5発  ・発煙弾 7発  ・無線機 AN/PRC-343 ・無線機 AN/PRC-152  ・Vector 21  ・NV Goggle (暗視装置)  ・Handgun  ・IFAK(Individual First Aid Kit) 個人用応急治療装備 ------------------------------------------------- *IFAK SOP*  ・IFAK(Individual First Aid Kit) 個人用応急治療装備 ・Bandage (Basic)  x10 ・Bandage (Elastic)  x10 ・Basic Field Dressing (QuikClot) x10 ・Packing Bandage x10 ・Tourniquet (CAT)  x1 ・Nasopharyngeal Tube  x1 ・Morphine x3 ・Epinephrine  x3 ・Atropine  x3 ・Saline IV 500ml  x3 ・Personal Aid Kit  x2 ・Earplug x1 ------------------------------------------------- *制圧射撃SOP*  ・撃たれている時は=速射  ・撃たれていない時は=普通射以下 ------------------------------------------------- *手榴弾SOP*  1. 目標確認  2. 照準確認  3. 投擲号令  4. 投擲  5. 投擲した手榴弾が跳ね返ってこないか確認(危険であればグレネードと叫ぶ)  6. 遮蔽を取るか、伏せる  7. 爆発 8. 制圧射撃 ―――――――――――――――――――――――――――――――― Section [隊形] "Fireteam Wedge" (Right Heavy)  ・FTL ・AR ・G ・R ------------------------------------------------- "Fireteam Wedge" (Left Heavy)   ・FTL  ・G ・AR ・R ------------------------------------------------- "横隊" (Fireteam Line) ・AR ・FTL ・G ・R ------------------------------------------------- "縦隊" (Fireteam File)  ・FTL  ・AR  ・G  ・R ------------------------------------------------- "二列縦隊" ・FTL    ・G ・AR    ・R ------------------------------------------------- "ダイヤモンド"  ・FTL ・AR ・G  ・R ―――――――――――――――――――――――――――――――― Section [射撃間隔] (小銃) 連射 :引き金を引き続ける射撃 速射 :1秒から2秒間隔で一発もしくは数発を射撃 普通射:5秒から15秒間隔で一発もしくは数発を射撃 緩射 :15秒から60秒間隔で一発を射撃 ------------------------------------------------- [射撃間隔] (機関銃) 5.56mm 連射 :引き金を引き続ける射撃 速射 :2秒から3秒間隔で10発から12数発程度連射し、1分間に約200発を射撃 普通射:4秒から5秒間隔で6発から9発程度連射し、1分間に約100発を射撃 緩射 :普通射以下の間隔で射撃 ------------------------------------------------- [射撃間隔] (中機関銃)7.62mm 連射 :引き金を引き続ける射撃 速射 :2秒から3秒間隔で6発から8発程度連射し、1分間に約100発を射撃 普通射:4秒から5秒間隔3発から5発程度連射し、1分間に約85発を射撃 緩射 :普通射以下の間隔で射撃 ―――――――――――――――――――――――――――――――― Section [OCOCA] オコカ (移動の際に考慮する項目)  Observation and fields of fire. 観測と射界  Cover and concealment.   掩蔽と隠蔽  Obstacles.   障害物  Key and decisive terrain.  緊要地形   Avenues of approach.   接近経路