戦いの原則 “Principles of War”

フラーの戦いの原則 9Line “Principles of War”

この戦いの原則は、以下のように改良され、米軍にて使用され続けている。またこの戦いの原則を理解していれば、戦いに何が必要なのか、この戦いでは何が悪かったのかの評価をすることが出来る。

 


 

 

  • 集中の原則 – Mass
    • 戦力を集中すること。
    • 孫子は言った、10の戦力で敵の1の戦力を攻めろと。
      • 十を以って其の一を攻むる (虚実篇四)
    • 力を分散させるより、一点に集中させた方が圧倒的に勝率が上がる。

 

  • 目標の原則 – Objective
    • 目標を明確に定めなければ、軍隊の戦力は分散する。
    • この作戦の目標は何なのか、この演習の目標は何なのかなど、誰でも理解することの出来る、いわゆる目印を設けなければ、兵士は何を達成すればよいのか分からなくなる。
      • 例 この作戦の目標は、敵の戦力の8割を制圧することである。

 

  • 攻勢の原則 – Offensive
    • 戦いに主導権を得ること。
    • 孫子は言った、名将は相手を思うように動かし、自身は相手の思い通りにさせないと。
      • 善く戦う者は人を致して人に致されず (虚実篇一)
    • 囲碁や将棋、サッカーにラグビーなど、その時主導権を得ている者が、戦いの形を決定する。

 

  • 奇襲の原則 – Surprise
    •  敵に対し、奇襲や襲撃を仕掛けること。
      • 『奇襲は戦力の優越を獲得するための手段』 (クラウセヴィッツ 戦争論 レクラム版)
      • 『奇襲の効果には部隊の結束を著しく弱めさせるという独特な特性があり』 (クラウセヴィッツ 戦争論 レクラム版)
    • 孫子は言った、戦争は定石通りの戦法で戦いながら、 時に奇策を使って敵を倒すと。
      • 孫子曰く、戦いは正を以って合い、奇を以って勝つ。(勢篇二)

 

  • 経済の原則 – Economy of Force
    • 軍に関わる費用の原則
      • 『敵が緩慢な行動を取っている時に戦力を行使せず、敵が攻撃している時に彼の軍の一部を行進させる』  (クラウセヴィッツ 戦争論 レクラム版)
      • 『戦力を無駄にすることは、戦力の不経済な使用』 (クラウセヴィッツ 戦争論 レクラム版)
      • 『もし戦闘が行われる場合には、まず全戦力を投入することに全力を尽くさなければならない』 (クラウセヴィッツ 戦争論 レクラム版)

 

  • 機動の原則 – Maneuver
    • 戦いにおいて、機動すること。
    • 孫子は言った、風のように迅速に機動しろと。
      • 孫子曰く、疾きことは風の如し。 (軍争篇三)
      • 敵よりも圧倒的に早い機動戦を実施し、敵に対応の隙を与えるな。

 

  •  統一の原則 – Unity of Command
    • 全ての隊員が、責任を持つ一人の指揮官の意思に統一されること。一つの意思に統一出来なければ、戦力は分散する。
    • 孫子は言った、上下の人々が意思を合わせていれば勝てると。
      • 上下の欲を同じくする者は勝つ (謀攻篇五)

 

  • 警戒の原則 – Security
    • 敵からの予期されぬ攻撃に備えること。

 

  • 簡明の原則 – Simplicity
    • 下される各種指示命令は、簡単で明瞭でなくてはならないという原則。

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