OPORD – 作戦命令

ここでは米軍にて作成され、その後各国軍にて採用されているOperation Order : OPORD : 作戦命令の下達の方法について紹介します。


 

米軍では、Five Paragraph Order という方法を使って命令を下達しています。これはSMESCという各項目の頭文字で表されることがあります。

Five Paragraph Order – SMESC

Situation – 状況
Mission – 任務
Execution – 構想
Service Support – 補給支援
Command & Signal – 指揮通信


 

OPORD : Five Paragraph Order

 

Ⅰ. 状況 : 必要不可欠な状況や情報を指揮下部隊に付与する。
A. 敵部隊
1. 天気、光度、湿度、日の出、日の入り、月の出、月の入り、月齢(月明り)、照明(人工的な)、風速、風向、第二薄明開始時刻(BMNT)、第二薄明終了時刻(EENT)
2. 地形 (OCOKA)
3. 敵軍の種類及び構成。(装甲か、機械化か、自動車化か、など)
4. 位置(複数可) 潜伏の可能性がある地域なども。
5. 活動(攻撃しているのか、哨戒しているのか、防御しているのか、後退しているのかなど)
6. 戦力、士気、装備、能力
7. 最も可能性の高い敵の行動

B. 我部隊
1. 任務や構想から考えられる上級部隊指揮官の意図
2. 位置及び行動計画。関係部隊および隣接する部隊の行動がどのように影響するのか。砂盤などでその場所を指摘。
3. 火力支援を行う部隊 : 中隊、迫撃砲、大砲、CAS(近接航空支援)、海軍の艦砲など

C. 配属と欠除
1. 配属部隊 : 我が部隊に配属された部隊
2. 欠除部隊 : 我が部隊から外された部隊

Ⅱ. 任務 : 部隊の任務を”簡潔、明瞭”に述べ、”その目的”を示す。任務は必ず二分されて示さなければならない。
〇5W
・だれが “Who”
・なにを “What”
・いつ “When”
・どこで “Where”
・なぜ “Why”
○その目的

 
Ⅲ. 構想 : 作戦の要領。ビジョン。どのように “How”
A. 方針
・行動方針の最初から最後までの流れを説明。指揮官の企図と計画の考え方を述べる。また部隊ごとにやるべき事項をまとめて述べなければ、混同が発生する可能性がある。

1. 機動 : 機動に関するすべての事項。
・中隊の達成すべき目標
・小隊の達成すべき目標
・中隊の任務
・小隊の任務
・移動位置
・移動要領
・方向
・行進順序
・間隔
・各部隊の任務
・各部隊の位置
など
2. 火力 : 火力に関するすべての事項。
・射撃優先順位 “Priority of Fires : POF” 火力運用において、特定の方向に火力の配分や指向を優先する順位。
・目標優先順位 “Target Priority” 目標に与える重要度の順位。原則としてこの順番に攻撃を実施する。
・目標番号
・座標
・射撃要領
など

B. 各機動部隊の任務
・各指揮下機動部隊の任務を示す。
中隊命令ならば、各小隊に。小隊命令ならば、各分隊に。分隊命令ならば、各班や各員に。

C. 各支援部隊の任務
・各支援部隊の任務を示す。

D. 調整事項
・複数の部隊に共通の調整事項を示す。
1. 行進、隊形、移動方法。砂盤やスケッチなどを用いる。
2. 小休止、大休止のSOP
3. 主要経路、予備経路。詳細な方位と距離を与える。
4. 出発点と連絡線(兵站線)
5. 各集合地点(Rally Points)と各集合地点での行動。(浸入集合地点 : IRP 主要集合地点 : ORP (他部隊も何度も使用するような主要な集合地点)哨戒基地 : PB 再入集合地点 : RRP (再び戻ってくるような集合地点)座標や地形を参照。
6. 各危険地帯(Denger areas)での行動。
7. 接敵時の行動。
8. 再編成や統合の指示。
9. 火力配分 : 全火器。地域射撃(Arei fire)と点射撃(Point fire)
10. 射撃指揮
11. MOPP “任務志向防護態勢” NBC戦に対応する準備態勢。Level 0 から Level 4までの5段階。
12. 部隊保護と放射能被爆基準値(Operational Exposure Guide)
13. 日程 “Time Schedules” (予行、ブリーフィング、点検、移動)どこで、いつ、だれがなど 5W
14. 優先情報要求 “Priority Intelligence Requirements : PIR” 重要度の高い情報から先に報告したり、質問したりすること。
15. デブリーフィングの要求
16. 報告 : ACE報告やSALUTE報告、SALTA報告などの基準
17. 交戦規定 “Rules of Engagement : ROE”
○全般
・武器を使用しても良い 時
・武器を使用しても良い 場所
・武器を使用しても良い 相手
・使用するべき武器
○統制
・上官から禁止されない限り、独断で行ってよい行動
・上官から指示されない限り、取ってはならない行動
○補足

 
Ⅳ. 補給支援 : 行動中の部隊を維持するのに必要な、物資の補給および支援の情報を掲示する。

A. 一般
・作戦持続のための補給支援SOP
・補給、集積資材ポイント。
・負傷者および故障装備
・負傷者収容地点 “CCP”
・メディバックピックアップゾーン(Medevac PZ)
・衛生兵など、医療従事者への指示。(トリアージや9 Line Medevac Procedures)

B. 資材と補給
1. 補給全般
a. Class 1 : 糧食(食品と水)
b. Class 2 : 衣服および個々の機器
c. Class 3 : 燃料 “POL”
d. Class 4 : 建設
e. Class 5 : 個人要求物品
f. Class 6 : 主最終品目 “Major End Item”(単体もしくは複数の個体で構成する結合品。それ自体で使用可能。)
g. Class 7 : 衛生
h. Class 8 : 修理用部品
i. Class 9 : 農業経済開発
j. Class 10 : 配当方法 (小隊軍曹、分隊長、班長)

2. 輸送
3. 支援 (洗濯、シャワーなど)
4. 整備 (武器、機器、車両)作業の優先順位や設備を維持する計画

C. 医療後送 “Medical Evacuation : MEDVAC”
・死者及び負傷者を後送する方法。各受傷者には優先順位をつける。

D. 人事
・捕虜 “Enemy Prisoner of War : EPW” の取り扱いと、捕虜収容地点 “EPW Collection Point”

E. その他
・特殊装備
・鹵獲装備(破壊するのか、移動するのかなどの要領)

 
Ⅴ. 指揮通信 : 作戦中の指揮及び通信について

A. 指揮
1. 上級部隊指揮官の位置やそのCPの位置。(中隊命令ならば中隊本部(HQ)の位置。小隊命令ならHQや小隊長、小隊軍曹の位置。分隊命令なら小隊長や小隊軍曹、分隊長の位置)
2. 主要人員の位置
3. 指揮権継承 “Succession of Command” (指揮官がかけた場合の指揮権の継承はどうするのか)(次期指揮官 “Second in Comander : 2IC” )例えば小隊長→小隊軍曹→(原則として上位)分隊長→(原則として上位)班長。これを明らかにしておく。
4. 指揮に関するSOPの調整

B. 通信
1. 通信規定 “Signal Operation Instructions : SOI” (周波数、呼び出し符号 “コールサイン”。電波使用制限)
2. 通信の優先順位
3. 火工信号 (撤退、リフト “延伸”、シフトファイア “転移射” 突撃 などすべての重要な信号。手信号も含む)
4. 隠語 “Codewords”
5. 誰何と合言葉 (誰何(すいか)相手を識別するため「誰か」などと尋ねること。合言葉 「誰か」などと尋ねられた時に返す合言葉。ノルマンディー上陸作戦では「サンダー」→「フラッシュ」となっていた。一部映画では逆になっているが)
6. 暗証番号
7. 合言葉の実施
8. 認識信号(遠/近、昼/夜)
9. 無線士への指示
CONELRAD : Control of Electromagnetc Radiation : 電波管制
1. 電波通常管制 : 重要な事項以外、通信禁止
2. 電波警戒管制 : 絶対必要な事項以外、通信禁止
3. 電波非常管制 : 絶対必要かつ緊急の事項以外、通信禁止
4. 電波封止 : 一切の通信禁止

 

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