分かりやすい命令と任務分析の関係の研究①

分かりやすい命令と任務分析の関係の研究①

 

分かりやすい命令と任務分析とは何か。この項では、その命令と任務分析の関係ついて研究する。

 


部下に命令(指示)を与えるとき、必要なものは、その者に対する任務(仕事)だけではない。例えば上司Aが部下Bに対し命令を行う、以下の例である。

A 「トンカチ持って来い」
B 「分かりました」

Bは倉庫まで走って、トンカチを持って来た。

A 「トンカチだけ持ってきてどうする。釘も持ってこんか! しかも数が全然足りんわ! 気の利かない奴だな」
B 「すみません……」

上記例の失敗の原因は、まず上司にあり次に部下にある。まず上司が部下に対して令した命令である。

“トンカチ持って来い”

この命令は、任務だけしか存在しない。OPORDを使用する米軍で言うならばExecution。自衛隊で言うならば任務である。

米軍のOPORD と 自衛隊の作戦命令を見てみよう。

OPORD (Operation Order)
Situation
Mission
Execution
Service Support
Command & Signal

自衛隊 作戦命令
状況
構想 (全隊の方針)
任務 (各部隊の任務)
補給支援
指揮通信

自衛隊の作戦命令は米軍から拝借したものであるので、OPORDの訳と考えてよい。さてそのOPORDの中の任務(Execution)の前には、何があるだろうか。それは状況(Situation)と構想(Mission)である。では上司Aの命令に、このうちの状況を追加したらどうなるだろうか。

A 「この壊れた建物を釘を打ち直して修理する(状況)。トンカチ持って来い(任務)
B 「分かりました」

さらに構想を追加する。

A 「この壊れた建物を釘を打ち直して修理する(状況)。今周りにいる職員たちも一緒になってやるから(構想)。トンカチ持って来い(任務)
B 「分かりました」

 

このような命令を与えられれば、部下Bは釘も持ってこようと思うし、周りにいる職員分の道具も持ってこようと考える可能性が高い。しかしこれは部下Bがある動作を行えばの話である。それは任務分析である。

米軍のMDMP(自衛隊では状況判断)を見てみよう。

  1. 任務の受領
  2. 任務(分析)
  3. 状況及び行動方針
  4. 各行動方針の分析
  5. 各行動方針の比較
  6. 結論
  7. 命令下達

任務分析(Mission Analysis)とは、簡単に言えば自分のやらなければならない仕事を考えて割り出すことである。

例えば上司Aに「トンカチを持って来い」と言われた部下Bはまず、自分のやらなければならない仕事を考えなければならない。下記の例である。

A 「トンカチ持って来い」
B 「分かりました」

B (Aは壊れそうな倉庫を見ながら、トンカチを持って来いと言ったな。ならばこの倉庫をトンカチを使って、ある程度修復しようとしてるんだ(任務の具体的内容)。俺は雑用として(地位)、その道具を持ってこないといけないな(役割)。絶対にやらなければならない仕事は、トンカチを持ってくることだけど、それと一緒に釘も持っていけると尚いいかな(具体的な目標)

上記が任務分析である。任務分析という難しい言葉を用いているから分かりにくいが、これは要は自分のやらなければならない仕事を考えることである。自衛隊では、このように定義される。

任務の分析にあたっては、任務に基づき具体的に達成すべき目標とその目的とを明らかにする。

具体的には下記である。

  1. 任務の具体的内容
    1. 5W (誰が、何を、いつ、どこで、なぜ)
    2. その目的
  2. 地位
    1. 自分の地位。立ち位置。
  3. 役割
    1. 自分の役割。自分のやる仕事。
  4. 具体的な目標
    1. 達成すべき目標(必成目標)
    2. 達成するとよい目標(望成目標)

つまり、命令を受けた部下はその命令の任務を分析することから始めなくてはならない。この分析の手順を怠った場合、部下は自分で考えて行動ができない。すなわち気の利かない、使えない部下になってしまうのだ。

よく周りに、ちょっとしか命令されていないのにもかかわらず、非常に気の利く部下や同僚が居ないだろうか。このようなものは、ただ顎で方向を示されただけで、各種仕事をこなしてしまうこともある。このような者は、自分のやらなければならなない仕事を分析するのがうまいのである。すなわち任務の受領→任務分析→行動 の適切な流れが、自然に構成されているのである。一方、気の利かない者は、任務の受領→行動または、任務を分析していても、その分析の仕方が下手などの理由で気が利かないのである。

では、下記に分かりやすい命令と任務分析の関係について例記する。

A 「この壊れた建物を釘を打ち直して修理する(状況)。今周りにいる職員たちも一緒になってやるから(構想)。トンカチ持って来い(任務)
B 「分かりました」

B (この壊れた建物を、周りにいる職員たちと一緒に修理するんだな。恐らくこの建物を修理して、再度使えるようにしたいんだろう。(任務の具体的内容)。俺はまず道具を持ってくる者として(地位)、建物の修理に必要な各種道具を揃えなくてはならないな(役割)。そのためには、トンカチを数多く持ってくることはもちろんのこと(必成目標 : 具体的な目標)、出来ればその他の道具も数多くそろえる方が良いな(望成目標 : 具体的な目標))

分かりやすい命令には、状況、構想、任務などの各種情報を含まねばならない。また命令を受けた者は、必ずその任務の分析を実施しなければ、与えられた任務しかこなすことのできないロボットに近いような存在になってしまうだろう。現代の兵士も仕事人も、命令通りにしか行動しないのではなく、部隊にとってプラスとなることも(望成目標)、次々とこなしていく者にならなくてはならないだろう。

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